No direction home

15:27赤湯発の山形新幹線つばめに乗って東京に向かっている。外は35度ぐらいで真夏日。駅までの道を歩けば汗が噴き出す。これが最後の帰省だった。もう山形に帰ることはない。
父と母が移住を考えていると聞いたのは昨冬で、その時は冗談かと思っていたけど、春になると具体的な引っ越し先まで決まっていた。
1年の1/3を雪かきに費やすのが馬鹿らしいから。と父は理由を話していたが、60年暮らした田舎を離れるのは勇気がいる大きな決断だ。自ら環境を変化させる生き方は見習うべき姿だと思う。
18歳まで暮らした南陽市は、今も緩やかに変化している。再来年には東北自動車道に直結するのでますます東京からのアクセスが良くなる。いつかまた赤湯駅に来ることがあったらどんな街になっているのだろうと考えてみたけど、いつかまた来ることがあるのだろうか。
電車は栗子峠を越えて福島に入った。あと1時間40分でまたいつもの生活に戻る。帰れる家はもうない。


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